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エフピーエムNews 第93号 人は何故、占い・予言を信じるのか?

【今回のテーマ】人は何故、占い・予言を信じるのか?

皆さんはテレビの星座占いや、SNSでなどで拡散される“〇〇が起こる日”といった情報に、無意識に一喜一憂している自分に気づいたことありませんか。
科学技術が発展し、AIが未来を“予測”する時代にあっても、人々は「占い」や「予言」に興味を失うことは無いようです。
最近、エフピーエムの社内でも話題になったのですが、今、日本ではある「予言」が注目を集めていることを、皆さんはご存知でしょうか?

たつき諒氏の「2025年7月5日予言」とは?
漫画家・たつき諒氏が著書『私が見た未来 完全版』(2021年刊)で発表した予言が、SNSやネット記事を中心に広がりを見せています。彼女は夢の中で見た光景を記録し、未来の出来事として描いたとされ、東日本大震災を「夢の中で事前に見た」と話したことから注目されました。その彼女が「2025年7月5日」に、日本の太平洋側を襲う“巨大津波”を予知していたというのです。夢のビジョンでは、九州から関東にかけて広範囲で海が盛り上がるような描写があり、それが現実になるのではないかと心配する声があがっています。この予言は科学的根拠に基づくものではありませんが、「過去の予言が当たった」とする主張や、SNSでの情報拡散により、多くの人々の不安や注目を集めています。では、人はなぜこのように「占い」や「予言」に興味を惹かれてしまうのでしょうか?今回はその心理的背景を、5つの観点から読み解いていきます。

1. 不確実な未来への「安心」を求めて
私たちは日々、多くの選択に直面します。
受験、就職、結婚、転職、病気、災害への備え——その一つひとつが「正しいのかどうか」分からない中で選ばなくてはなりません。
この“不確かさ”が続く状態は、心理的なストレスを生み出します。
だからこそ、「未来はこうなる」「今は耐える時期」「災害は来る」といった断定的なメッセージが心の安定をもたらすのです。
予言や占いは、まるで迷路の中に指し示された矢印のように、人々に“進む方向”や“心構え”を与えてくれます。不安な時期ほど、それに縋りたくなるのはごく自然な反応と言えるでしょう。
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2. 意味づけを求める脳の仕組み
人間の脳は、出来事に「意味」を持たせることで安心感を得ようとします。
これは進化の過程で備わった“パターン認識能力”の一種です。
たとえば、「あの日財布をなくしたのは水星逆行のせいだった」とか、「ちょうど新月の日に別れ話をしたのは運命だった」といったように、偶然に見える出来事にも“背景となる意味”をつけたくなるのです。
占いや予言は、その“意味”を提供してくれる存在です。特に災害や不運など、コントロール不能な現象に直面した時、「これは誰かが予言していた」「星の動きと一致している」と納得できることで、感情の整理がしやすくなります。
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3. バーナム効果による「当たっている」感覚
占いや予言には、非常に一般化された表現が多く含まれます。
たとえば、
「あなたは時に強く振る舞いますが、本当はとても繊細です」
このような言葉は、多くの人が「自分に当てはまる」と感じます。
これは「バーナム効果」といい、占い師が良く使う心理テクニックです。
人間は“曖昧で誰にでも当てはまる言葉”を“自分のための特別なメッセージ”だと受け取りがちです。
たつき諒氏の予言も、「津波」や「地殻変動」といった曖昧ながらも不安を刺激するキーワードが用いられています。これにより、多くの人が「これは本当に起こるかもしれない」と感じ、共感や恐怖を強めてしまうのです。
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4. 判断を他人に委ねたいという欲求
選択には常に「後悔の可能性」が伴います。たとえば、「引っ越すべきか」「今、退職するべきか」といった決断には、成功と失敗の両方が想定されます。
こうした状況において、人は「誰かに判断を委ねたい」と無意識に考えるようになります。
占いや予言は、まさに“自分以外の視点”からのアドバイスとして機能します。
「占いで〇〇と言われたから」「あの人の予言がこうだったから」といった理由づけは、決断に対する心理的な“逃げ道”になります。
責任やリスクを一部外部に転嫁することで、心の負担を軽減しようとするのです。
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5. 行動を変える「きっかけ」になるから
予言や占いは、現実の行動にも影響を与えます。
これを心理学では「自己成就的予言(Self-Fulfilling Prophecy)」と呼びます。
「恋愛運が上がる」と言われれば、自然と積極的になり、「災害が来るかもしれない」と聞けば、防災グッズを準備したり備蓄を始めたりする。結果的に、その行動が状況を改善したり、予言が「的中した」と思わせる結果につながることもあります。
たつき諒氏の「7月5日予言」もまた、「今のうちに備えておこう」と人々を動かす“きっかけ”となっており、信じるか否かにかかわらず、現実の行動に影響を与えているのです。

占い・予言とどう向き合うべきか?
科学的に分析してしまうと何だか味気無くなってしまいますが、占いや予言を信じることは、決して非合理でも愚かでもありません。
それは人間が本質的に持っている「不確実性への不安」や「意味づけ欲求」からくる、ごく自然な反応です。
ただし、注意が必要なのは“依存”してしまうこと。
自分の行動や判断のすべてを占いや予言に委ねてしまえば、自分の人生を自分で切り拓く力を失ってしまいます。
私たちは占いや予言を、あくまで「参考情報」「思考のきっかけ」として捉えることが重要です。
「何を信じ、どう行動するか」は一人ひとりの意思に委ねられています。
占いや予言に耳を傾けることと、冷静な判断を保つこと、そのバランスがこれからの時代には求められるのかもしれません。
情報の取捨選択し、冷静な判断を保つこと… “投資や資産運用”とまるで一緒ですね。

さてさて、この週末はどうなりますかね。 皆さんはどう思いますか、

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