エフピーエムNews 第104号 その火災保険、水害でも保険金おりますか? 〜梅雨入り前に確認したい補償の落とし穴〜
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2026年6月1日、新潟県三条市の最高気温は33度を超えました。本来であれば「衣替え」の日として、ようやく夏服に切り替わる季節のはずです。それが、もう真夏日。これは三条だけの現象ではありません。
世界に目を向けても、ヨーロッパでの大型ハリケーン、北米での山火事の頻発、東南アジアでの記録的豪雨——異常気象は、もはや「異常」ではなく「日常」になりつつあります。気象庁の発表によると、日本国内でも1980年頃と比較して、最近10年間(2015〜2024年)の大雨(3時間降水量150mm以上)の発生頻度は約2倍に増えています。
こうした気象の変化は、私たちの暮らしを守る「火災保険・地震保険」のあり方にも見直しを迫っています。今月号では、梅雨入り前のこのタイミングで確認したい保険の補償範囲と、新潟・燕三条エリアならではの水害リスクについてご紹介します。
■ 「火災保険」って、火災だけじゃないって知っていますか?
「火災保険」という名前から、火事のときにだけ使うものだと思っている方は意外と多いものです。実際には、火災保険は住まいに起きる様々な「もしも」をまとめてカバーする総合保険です。ただし、その「カバー範囲」は契約内容によって大きく異なります。
特に注意したいのが、「水災補償」がオプション扱いになっていることが多いという点です。床上浸水や土砂崩れに巻き込まれても、水災補償が付いていなければ保険金はほぼ出ません。
| 補償項目 | 主な対象 | 扱い |
|---|---|---|
| 火災・落雷・破裂 | 火事・雷・ガス爆発 | 基本補償(自動付帯) |
| 風災・雹災・雪災 | 台風・大雪 | 自動付帯が多い |
| 水災 | 床上浸水・土砂崩れ・洪水 | オプション選択 |
| 水濡れ・盗難・破損 | 給排水管事故・空き巣・うっかり破損 | オプション選択 |
| 地震・噴火・津波 | 震災 | 火災保険では対象外(地震保険が必要) |
参考:水災補償の付帯率は全国で約63%
損害保険料率算出機構の調査(2023年度)によると、火災保険に水災補償を付けている割合は全国平均で63.0%。逆に言えば、3軒に1軒以上の家庭は水害が起きても保険金が出ない状態ということです。
■ 新潟の水害リスク、ご存じですか
「新潟は雪国だけど、水害はそんなにないでしょう?」——そう思っている方は要注意です。新潟県は全国でも有数の水害リスク地域です。信濃川や阿賀野川など大河川が多く、平野部は河川の下流域にあるため、上流の豪雨がそのまま下流に流れ込みます。
三条市民にとって忘れられない「7.13水害」
2004年7月13日、新潟・福島豪雨により三条市の五十嵐川左岸が決壊。市街地に濁流が流れ込み、三条市だけで死者9名、被害棟数10,935棟、被害世帯7,511世帯という甚大な被害をもたらしました。新潟県全体でも死者15名、住宅被害は全壊71棟・半壊5,657棟・床上浸水1,882棟・床下浸水6,197棟に上りました。
この豪雨では、上流の笠堀ダム観測所で24時間雨量474mmを観測。これは観測開始(昭和40年)以降の最大記録でした。あれから20年以上が経過しましたが、近年は線状降水帯による集中豪雨が全国で頻発しており、「想定外」と呼ばれた事象が、いつ起きてもおかしくない時代になっています。
ハザードマップを一度ご確認ください
三条市・燕市ともに、公式ホームページで洪水ハザードマップを公開しています。お住まいの地域の浸水想定深を確認することで、必要な補償の目安がわかります。「三条市 ハザードマップ」「燕市 ハザードマップ」で検索してみてください。
■ ある家族の話 〜火災保険の「落とし穴」〜
【田中家のケース】燕市在住・築15年の戸建住宅
夫婦と子ども2人の4人家族。住宅ローンを組んで戸建を購入したのが15年前。当時の火災保険に入りっぱなしで、一度も見直したことがなかった。
2024年夏、燕市内で集中豪雨が発生。田中さんの家は床上40cmまで浸水し、家財や床材・壁紙の張り替え、設備の入れ替えで合計200万円超の被害となりました。
「保険があるから大丈夫」と思った田中さん。保険会社に連絡したところ——返ってきた答えは「水災補償が付いていないため、お支払い対象外です」。
15年前に契約した火災保険は、保険料を抑えるために水災補償を外したプランでした。当時の担当者から説明はあったものの、「うちは大丈夫」と思って外したまま、契約内容を忘れていたのです。
⚠ 災害が起きてからでは見直せません
火災保険・地震保険は、契約のタイミングで補償範囲が決まる仕組みです。「被害が出てから慌てて加入する」ことはできません。だからこそ、平時の見直しが何より大切です。
田中家が「事前にやっておけばよかったこと」
- ✅ 住宅購入時の保険証券を引き出しから出して、補償内容を確認する
- ✅ ハザードマップで自宅の浸水想定を確認する
- ✅ 水災補償が外れていたら追加するか検討する
- ✅ 家財保険が付いているか確認する(建物だけでは家具・家電は対象外)
■ 地震保険、新潟だからこそ必要です
新潟県は、近年だけでも2004年の新潟県中越地震、2007年の新潟県中越沖地震、そして2024年1月の能登半島地震と、たびたび大きな地震に見舞われてきた地域です。「うちは大丈夫」と思える根拠は、残念ながらどこにもありません。
ここで知っておきたい大切なポイントは、火災保険では地震・噴火・津波による損害は補償されないということです。これらをカバーするには、別途「地震保険」に加入する必要があります。
地震保険の基本ルール
・火災保険とセットでないと加入できない(単独加入不可)
・補償額は火災保険の30〜50%が上限(建物5,000万円・家財1,000万円が限度)
・保険料は政府と損害保険会社が共同で運営するため、どの会社で入っても同じ料金
・地震を原因とする火災・津波・倒壊・地盤液状化もすべて地震保険の対象
「火災保険の30〜50%しか補償されないなら意味がないのでは?」と思われるかもしれません。しかし地震保険は、被災後の生活再建のための当座資金を確保することが本来の目的です。住宅ローンが残っている方ほど、その重要性は高くなります。
■ 今すぐできる「保険見直し」5つのチェック
保険証券は、契約してそのまま引き出しの奥にしまい込んでいるご家庭が大半です。この機会に、ぜひ一度引っ張り出してみてください。以下の5つのポイントを確認するだけで、見直しの必要性がはっきりします。
- ✅ 水災補償が付いているか確認する(証券の「補償内容」欄)
- ✅ 補償額が現在の家の評価額に合っているか確認する(築年数経過で過小・過大になっていることがあります)
- ✅ 家財保険が含まれているか確認する(建物のみの契約だと家具・家電は対象外)
- ✅ 地震保険に加入しているか、補償額は十分か確認する
- ✅ 2015年以前の契約は要見直し(保険料率・補償内容が古いままになっている可能性大)
⚠ 「住宅ローン契約時のまま」が一番危険
住宅購入時に金融機関や不動産会社から勧められた火災保険にそのまま入り続けているケースが多く、補償内容が今のライフスタイルや気象リスクに合っていないことが少なくありません。10年以上見直していない方は、特に要注意です。
■ 梅雨入り前のいま、保険証券を開いてみませんか
「保険のことは、よくわからないから後回し」——多くのご家庭でそうおっしゃいます。でも、災害は待ってくれません。梅雨入り前のいまこそ、保険証券を一度開いてみる絶好のタイミングです。
保険証券のどこを見ればいいかわからない、補償内容が古いままかもしれない、補償が足りているのか不安——そんな方は、ぜひエフピーエムにご相談ください。現在ご加入の保険証券をお持ちいただくだけで、補償内容のチェックが可能です。もちろん相談料は無料です。
エフピーエムは独立系FP会社として、特定の保険会社の商品を売ることが目的ではありません。お客様にとって本当に必要な補償を、複数社の中から比較してご提案します。
こんなご相談、よくお受けしています
・「火災保険に水災補償が付いているかわからない」
・「ハザードマップを見たら浸水想定区域だった。どうすれば?」
・「地震保険、入った方がいい? 保険料の元は取れる?」
・「住宅ローンと一緒に入った保険、10年以上見直していない」
・「家財保険って何? どれくらい必要なの?」
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これから梅雨入り、そして台風シーズンへと、災害リスクが高まる季節を迎えます。「備えあれば憂いなし」——保険は、いざというときに家族と暮らしを支えるセーフティネットです。この機会にぜひ、ご家庭の保険を見直してみてください。
今月もお読みいただきありがとうございました。