エフピーエムNews 第109号 そのパスワード、ご家族は知っていますか? 〜今どきのエンディングノートの書き方〜

FPM News

いつもエフピーエムNewsをご覧いただきありがとうございます。

11月に入り、朝晩の冷え込みが本格的になってきましたね。1年の棚卸しをしておきたい季節です。

今月は少し真面目に、でも大切な話を。「エンディングノート」のお話です。

「縁起でもない」と感じられる方もいるかもしれません。でもエンディングノートは、”死の準備”ではなく、“生きている家族への思いやり”です。実際、ご家族が本当に困るのは法律の話ではなく、「連絡先が分からない」「スマホのロックが解除できない」といった、ごく実務的なことなのです。

今月号の最後には、エフピーエムオリジナルのエンディングノートPDFをプレゼントします。無料で、どなたでもダウンロードいただけます。ぜひ最後までお読みください。


■ 「遺言書」と「エンディングノート」、何が違うのでしょうか?

似ているようで、実は全く別物です。

項目 遺言書 エンディングノート
法的効力 あり なし
書き方 厳格なルール(民法で規定) 自由
内容 財産の分け方が中心 幅広い(財産・医療・連絡先・デジタル資産・メッセージなど)
書き直し 新しい遺言書で上書き いつでも自由に
保管 自宅・公証役場・法務局 家族が見つけられる場所

遺言書は「法的に、こう分けてほしい」の意思表示。エンディングノートは「家族が困らないための申し送り」です。どちらも大切ですが、まずはハードルの低いエンディングノートからで十分、というのが私たちの考えです。


■ なぜ今、エンディングノートが必要なのでしょうか?

理由はシンプルで、家族が本人のことを把握しにくくなっているからです。

核家族化が進み、単身世帯は今や全世帯の約4割。親子や兄弟が別々に暮らすのが当たり前の時代です。さらにデジタル化で、“見えない財産”が急増しています。ネット銀行、ネット証券、サブスク、SNS…ご本人しか知らない情報が、年々増え続けています。

FPM(エフピーエム)にも、「亡くなった父のスマホのロックが解除できなくて、連絡先も銀行口座も分からなかった」というご相談が、実際に増えています。


■ ある家族の話 〜父を亡くしてから”パスワード問題”に直面した伊藤家〜

【伊藤家のケース】三条市在住・50代の長女
78歳のお父さまが急逝。看病の暇もない突然のことだった。

葬儀を終えて、遺品整理を始めた伊藤さん。まず困ったのは、父のスマホとパソコンが開けないことでした。

父はネット銀行の口座を持っていたはず。でもログインできないので、残高どころか、どの銀行を使っていたのかすら分かりません。加入していた保険の問い合わせ先も不明。そして、気づかないうちに毎月引き落とされ続けるサブスクサービスの数々……。

解約手続きが一通り終わるまで、数か月かかりました。

「せめて、使っているサービスの一覧だけでも書いておいてほしかった」——伊藤さんの、心からの一言です。


■ エンディングノートに書いておきたい10のこと

何を書けばいいか、ざっくり分けると “モノ” と “ヒト” と “気持ち” の3領域です。

  • ✅ お金関係:預貯金・証券口座・保険・年金・ローン・不動産
  • ✅ デジタル関係:スマホ・PC・ネット銀行・証券・サブスク・SNSのID
  • ✅ 人間関係:連絡してほしい人のリスト(親族・友人・勤務先)
  • ✅ 医療・介護の希望:延命治療・施設の希望・かかりつけ医
  • ✅ 葬儀の希望:形式・宗教・参列してほしい人
  • ✅ お墓・供養の希望
  • ✅ ペットの引き取り先
  • ✅ 大切な人へのメッセージ
  • ✅ 保管場所の記録(通帳・権利証・保険証券の在り処)
  • ✅ やってほしくないこと(SNSの放置、見られたくないデータの処分指示など)

全部書こうとすると大変です。まずは連絡先・金融機関一覧・サブスク一覧の3つだけでも、ご家族への大きな贈り物になります。


■ “デジタル資産”をどうやって引き継ぐか

近年、特に深刻になっているのがデジタル資産の問題です。

ネット銀行や証券の残高、サブスクの契約、SNSやメールのアカウント——これらはすべて、本人のID・パスワードがないとアクセスできません。遺族がログインできずに、「残高はあるはずなのに引き出せない」「サブスクを止められない」というトラブルが急増しています。

⚠ パスワードは”書き残す”より”存在を伝える”
ノートに全てのパスワードを書き残すと、ノート自体が盗まれたときのリスクが大きくなります。それより、「どんなサービスを使っているか」のリストを家族と共有しておくことが第一歩です。パスワード本体は、別の安全な方法で管理しましょう。

対策として、次の3つがおすすめです。

  • ✅ 使っているサービスの一覧をノートに書く(パスワードは書かない)
  • ✅ スマホのロック解除方法だけは家族に伝えておく(または金庫等に保管)
  • ✅ パスワード管理アプリを使っている場合は、マスターパスワードの保管方法を決めておく

■ 書き始めるコツ 〜完璧を目指さず、1ページから〜

「全部埋めなきゃ」と思うと、途端にハードルが上がります。だから、まずは1ページからで大丈夫です。

おすすめの始め方は、次の3ステップ。

  • ✅ 連絡先リストから書く(頭に浮かぶ名前と電話番号を書くだけ)
  • ✅ 金融機関の一覧を書く(口座番号は下4桁だけでOK)
  • ✅ サブスク一覧を書く(引き落とし明細を見ながらチェック)

この3つだけでも、ご家族の負担はぐんと減ります。あとは年に1回、年末や誕生日などに見直す習慣にすれば、無理なく続けられますよ。

そして一番大切なのは、「ノートの保管場所をご家族と共有しておく」こと。せっかく書いても、見つけてもらえなければ意味がありません。


■ 【特典】エフピーエム オリジナル エンディングノートをプレゼント

「書いてみたいけど、何から手をつけたらいいか…」そんな方のために、エフピーエムがオリジナルのエンディングノート(PDF・全16ページ)をご用意しました。無料でダウンロードいただけます。

一般的なエンディングノートとの違いは、FP(ファイナンシャル・プランナー)の視点で保険・証券・年金・デジタル資産の記入欄を手厚く設計したこと。印刷して書き込むだけで、ご家族への申し送りが完成します。

📥 エフピーエム オリジナル エンディングノート
A4サイズ・全16ページ・PDF形式

ダウンロードはこちら

こんなご相談、よくお受けしています
・「エンディングノート、何から書き始めればいい?」
・「遺言書とエンディングノート、両方必要?」
・「親に書いてもらいたいが、どう切り出せばいい?」
・「デジタル資産のまとめ方が分からない」
・「保険証券の整理も一緒に相談したい」

書き進めていく中で分からないことがあれば、お気軽にエフピーエムへご相談ください。本社(三条市)でも、保険クリニック そよら三条須頃店でもお受けしています。


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年末が近づくと、何かと気忙しくなります。でも、1年の棚卸しの時間だけはぜひ、ゆっくり取っていただけたらと思います。

そして、エンディングノートに1行でも書けたら、それだけで十分な一歩です。

今月もお読みいただきありがとうございました。